仏様

　
相変わらず、妻がカーテン※１をせがむ。

妻曰く、

妻：「このカーテンじゃ、外から丸見えでしょ。」

ちなみに、リビングの窓は
通常のものよりも横幅も縦幅も大きい。

だから、このカーテンでは小さすぎるのだ。

それにしてもだ。

そんな小さなことを、
いちいち気にしてどうする。

我が家は、1階にあるわけではない。

わずか20cmの隙間から、
覗き込む人などいるはずがない。

望遠鏡でもなけりゃ、
見られることはほとんどないだろう。

仮に、覗かれたとしても、減るものも何もない。

でも、そのわずかな隙間が気になるらしい。

どうやら、控えめな妻は人から見られるのが
好きではないようだ。

ちなみに、私が実家で暮らしていたときは、
カーテンなんぞ使っていなかった。

別に、人様に見られて、
恥ずかしいものなど何もないからだ。

いや、むしろ見て欲しいくらいである。

世間に向かってアピールしていかなければ、
誰も相手にしてくれなくなる。

ジャパンパッシングこそ、その極み。

アピールこそ、日本人が生きる道である。

黙して語らない閉鎖的な妻と、
アピール好きでオープンな夫。

決して、交わらない二人。

平行線をたどるカーテン談議。

もちろん、いったん棚上げに・・・。

そんな中、

フラリと立ち寄ったリサイクルショップで、
オシャレなアンティーク家具を発見。

シックで大人なイメージだ。

（うむ、私の書斎にピッタリのデザイン。）

これで、仕事がはかどること間違いなし！！

と、想像力は膨らむばかり。

これは、買いである！！

私の直感がそう囁く。

30分以上、座ったり、腰掛けたり、くつろいだり・・・。

（みんな一緒じゃねーか！！）

完全に欲しい欲しいモードに突入した私。

でも、カーテンを断った手前、
妻になかなか欲しいとは言い出せない。

しかも、お値段も結構なものである。

ケチなオイラとしては、思い切った決断。

様子を伺いながら、
意を決して妻に相談してみる。

私：「この机と椅子、欲しいんだけど・・・。」

トーンを少し低めに、
出来るだけ下手にでながら様子をみる。

すると、意外なお言葉が・・・。

妻：「仕方がないねぇ、買ったらいいじゃん。」

私：「えっ？？」

まさかの回答に、驚きを隠しきれない。

夕日を背にしていたせいか、
妻に後光が差しているように見えた。

（あぁ、神様、仏様、菩薩様ぁ～！！）

こんなに出来た嫁は見たことがない。

カーテン一つをケチるチンケなオイラとは、
心の広さがまるで違う。

やはり、私の目に狂いはなかった。

（お前はオレの宝物だよ。）

私：「うぅ、ありがとう。でも、ホントにいいの？」

妻：「ただし、こづかいからね。」

あぁ、やっぱりね。

≪イソジンのよく解る 用語解説≫ 
※１　カーテン・・・
　　　物質的な距離と精神的な距離は比例する、
　　　という研究結果があるという。
　　　カーテンで隔てることにより、
　　　失うものがないか、もう一度真剣に考えてみて欲しい。。
　　　詳しくは「ウィッシュリスト」をご覧 下さい。

（注）ISOJIN Blogは架空の物語です。過去、あるいは現在において、たまたま実在する人物、団体、出来事に類似していても、それは偶然に過ぎません。
　

ウィッシュリスト

　
引っ越しから、はや１ヶ月。

ようやく、我が家も
落ち着きを取り戻し始めた。

モノがあるべきところにある姿は、
とても気持ちがよいものだ。

整理整頓。

理にのっとって、頓（ひたぶる）に整える。

生活導線を意識し、
理にかなった配置を考えることは、
頭の体操にもなるから面白い。

もともとモノがない上に、
引っ越し慣れしている我が夫婦。

実は、引っ越し翌日には、
あるべきところにモノは収まっていた。

そうなると、部屋を多少なりとも、
彩りたくなってくるってなもんだ。

浮かれた妻はカーテンの購入を
しきりに、アピールしてくる。

（う～ん、カーテンかぁ・・・・。）

カーテンの効用を考えてみると、
主に二つあるような気がする。

１）直射日光の遮断
２）プライバシーの保持

二つの効用を考えると、
生活が向上するとは考えにくそうだ。

ということで、却下！！

私から見たら、無駄な買い物この上ない。

（今、使ってるもので十分でしょ。）

カーテンをせがむ妻を尻目に、
取り敢えず、私は欲しいものを書き出していく。

欲しいものは、
必ず、ウィッシュリストを作成する。

値段を価格ドットコムで吟味し、購入する。

ケチなオイラの流儀である。

＜ウィッシュリスト＞
・　PS3（＋トルネ）
・　YRS2000
・　匠純銅おどり炊き
・　ヘルシオ

みんなが来たときのために、
盛り上がれるゲーム機はあった方が良い。

任天堂Wiiだと盛り上がれそうだが、
私としては、ソニーのPS3の拡張性を優先させたい。

来る３D時代到来に備え、
インターネットでのアップグレードは重宝する。

ソニーはグーグルと映像や
情報端末の分野で提携を発表している。

その点も、私の中で評価も高い。

また、ソニーマニア※１な私としても、
電気機器は統一しておきたいところである。

どうせPS3を買うのなら、
torne（トルネ）も同時購入しておきたい。

トルネとは、
プレステ用の地デジレコーダーのことである。

PS3のセルエンジンで、
サクサクとハイビジョン録画が楽しめる。

これなら、快適なTV生活をエンジョイ出来そうだ。

映像にこだわるのなら、
音響にも是非ともこだわりたい。

そこで、おすすめなのが、

YAMAHAのPOLYPHONY（YRS-2000）だ！！

これなら、リビングが
すっきりまとまとまることが間違いなし！！

しかも、心地良いハーモニーで、
見るもの全てを優しく包み込んでくれる。

リビングでの劇場体験。

私の理想とする生活である。

どうせここまでやるのなら、
白物家電にもこだわりたい。

このデブった体を維持するには、
うまい食事は欠かせない。

（ほっとけ！！）

最近、炊飯器の調子がおかしい。

圧力IHジャーも各社から、
いいのが出てきている。

三洋の匠純銅 おどり炊きは捨て難い。

米粒と一緒に、
私まで踊り出してしまいそうだ。

ウマい飯には、ウマいつまみが良く似合う。

シャープのウォーターオーブン、
ヘルシオで油控えめのダイエットレシピ。

これで料理をしたら、確実に痩せられそうだ。

次から次へと、
ウィッシュリストが埋まっていく。

もう、楽しくて仕方がない。

今まで、抑圧されていた感情が解放される。

というよりも、大爆発！！

-*-*-☆-＼(☆o◎)／-☆-*-*-

でも、

よくよく考えたら、

頭金を払うために資金を拠出したから、
預金は底をついている。

（あぁ、哀しやっ！！）

家族会議の結果、

我慢という結論に相成った。

我慢かいっ！！

≪イソジンのよく解る 用語解説≫
※１　ソニーマニア・・・
　　　大した理由もないのに、ソニー製品をすこぶる愛する人のこと。
　　　詳しくは「爆笑レッドカーペット」をご覧 下さい。
 
（注）ISOJIN Blogは架空の物語です。過去、あるいは現在において、たまたま実在する人物、団体、出来事に類似していても、それは偶然に過ぎません。
　

ホームパーティ

週末に、ホームパーティ。

そんなアメリカンスタイルに、猛烈に憧れる。

生まれながらのエンターティナー※１。

友人をお招きし、
極上のおもてなしをして差し上げたい！！

でも、自慢していると思われては、
癪（しゃく）に障る。

（実は、小心者ですの。テヘッ！！）

だから、素直に「遊びにおいで。」とは、
なかなか言い出せない自分がいる。

この厄介な性格には、
自分でも、ほとほと嫌気がさす。

豪快なようでいて、その実、繊細。

案外、気にしぃ※２な私。

（逆に言えば、「気が回る」とも言う。）

しかも、この不景気のご時世。

職がない人もいれば、
路上で生活している人もいる。

そんな人たちのことを考えると、
とても浮かれてなんかいられない。

でもね。

ちょっとは、自慢してもいいんじゃない！！

もう一人の私が、
ひょこっと頭をもたげ出す。

やっぱり、自己顕示欲の塊だ。

アピールせずにはいられない！！

ブログで、数回にわたって、
マンション編を連載してみたりする。

（いつになく、しつこかったかな・・・？）

おかげさまで、
かつてない程のシリーズ企画となってしまった。

数えてみると、７つの記事。

（どんだけ、自慢したいんじゃぁ。）

さすがに、これだけ書けば・・・、

大きな反響間違いなし！！

と思ったが、待てど暮らせど反応なし。

誰からも、「遊びに行きたい！」っていう
メールも電話もありゃしない。

ホント、淋しい限りである。

（まぁ、相手あってのことだから、仕方ないね。）

孤独感に苛（さいな）まれながらも、
次なるアピール方法を考えてみる。

直接、連絡するのは、あまりにも芸がない。

取り敢えず、
ツイッターでつぶやいてみることに・・・。

でも、こりゃまた、こちらも反応なし。

考えてみれば、

フォロワーも少ないし、
友人はツイッターなんぞやってはいない。

どうやら、アピール方法が間違っていたようだ。

こうなったら、
下手なプライドは必要ない！！

恥も外聞もかなぐり捨てる。

是が非でも、友人に来てもらいたい！！

と、いうことで・・・、

直接的な方法で、友人にアプローチ。

親しい友人に、メールでのご案内。

私：「ついに、マンションを購入しちゃいました。」

奥ゆかしく感じてもらえるように、
控えめな表現でメールを次々と送信。

細かな配慮は大切だ。

しばし、友人からの連絡を待つ。

が、これまた反応なし。

何ともいえない寂寥感（せきりょうかん）。

ひとりぼっち。

人は支え合って、人となる。

確か、金八先生はそう言っていた。

でも、私を取り囲む世界には、
誰一人存在しない。

どうしても、そう思わずにはいられない。

このままじゃあ、
あまりにも自分が不憫すぎる。

仕方なく、痛風男に電話することに・・・。

（きっと、痛風さんなら、暇を持て余しているはず！！）

私：「マンション買ったんだけどさぁ、うち来ない？」

痛：「実は、忙しいんだよね。
　　　暇だったらさ、ブログでも書いたら・・・。」

ガ━━Σ(ﾟДﾟ|||)━━ン！！！

このままいけば、私は間違いなく
孤独死することだろう。

≪イソジンのよく解る 用語解説≫
※１　エンターティナー・・・
　　　人を喜ばせるのは大好きだ。
　　　特に、人様の結婚式の余興には命もかける。
　　　詳しくは「20世紀少年」をご覧下さい。
※２　気にしぃ・・・
　　　どうしても、他人の目が気になり、
　　　ついつい、控えめな行動になってしまう。
　　　詳しくは「100億稼ぐメール術」をご覧下さい。

（注）ISOJIN Blogは架空の物語です。過去、あるいは現在において、たまたま実在する人物、団体、出来事に類似していても、それは偶然に過ぎません。
　

夜逃げ屋本舗

夜逃げ※１のように引っ越したISOJIN。

心配なのは、そのお荷物。

この際、いらないものは
ゴッソリと整理※２したい！！

こんなことでもなけりゃ、
捨てられないものもたくさんある。

特に困ったのが、大型家具。

妻が、嫁入りの時に持ってきたものである。

結婚当時のゆったりとした部屋であれば、
余裕があったのだが・・・。

このマンションには、大きすぎたのだ。

かと言って、大切な嫁入り道具。

妻やご両親のお気持ち※３を考えると、
簡単に「廃棄」という二文字を口にすることは出来ない。

うっかり下手なことを言ったら、
どエラいことになる。

((((；ﾟДﾟ))))ｶﾞｸｶﾞｸﾌﾞﾙﾌﾞﾙ.

血で血を洗う闘争に発展しかねない。

（それだけは、なんとしても避けなければ・・・。）

喉まで出かかった言葉をグッと飲み込み、
素知らぬ顔で引っ越し準備をすすめていく。

我ながら、見事なポーカーフェイス。

ただ、スペースがないことも明確な事実。

密かな葛藤を抱えながらの引っ越し作業。

当然、思うようにはかどらない。

（ただ、おもちゃで遊んでいただけ・・・？）

悶々とした日々をおくる中、
妻から思いもよらない言葉が飛び出した。

妻：「このTVボード使わないよね。」

（うん、確かに。）

私：「この際、思い切っちゃう？」

（決断はあんたに任せますよ。）

妻：「そうだね、処分しよっか。」

（待ってました、そのお言葉！！）

ということで、
家具を大幅に整理することを決意。

人から頂いたものなので、
なんとなく心苦しかったが妻の言葉で吹っ切れた。

これで、ようやく本腰を入れて、
引っ越し作業に取り組むことが出来る。

(ﾉﾟ∀ﾟ)ﾉヨッシャーー！！


いるものと、いらないものを仕分けていく。

今まで、引っ越しを幾度となく重ねた我が夫婦。

でも、ここまで大胆に処分するのは初めてだ。

今回、処分するのは、TVボード１つと椅子３脚。

ただ、捨てるのはさすがにもったいない。

一応、リサイクル業者に見積もりを依頼。

カ○モク製の家具だから、
少しはこづかいの足しになるだろう。

と、完全にタカを括（くく）っていた。

この後、私たちはつらい現実を
痛いほど思い知らされることになる。

業者からの見積もりが出てきて、
クリビツ仰天！！

まっ　まさかの、０円。

（な、な、なんですと・・・。）

しかも、業者からはこんなお言葉を・・・。

業：「今回は特別に、運送料はサービスにしときますね。」

（えっ、それはあたりまえでしょ。）


(｀Д´) ムキーっ！！


思いもよらない展開に、次の言葉が出て来ない。

やっとこさ、絞り出したのがこの言葉。

私：「じゃあ、結構です！！」

プライドだけは、人一倍。

過度のMOTTAINAI精神。

こうして、私は必要ないTVボードとともに
引っ越しをすることに・・・。


(「￣ ・￣)=3　ふぅ〜。。


どうしても、いらないものを捨てられない。

くたばれ！！　貧乏性。

≪イソジンのよく解る用語解説≫ 
※１　夜逃げ屋本舗・・・

　　　幼い頃、借金苦だった源氏が夜逃げの手伝いをする、

　　　痛快夜逃げドラマ。

　　　出来れば、源氏に仕事を依頼し、完璧なプランを立てて欲しい。

※２　整理・・・
　　　引っ越し経験豊富なISOJINは、引っ越し作業はお手のもの。

　　　でも、なかなかいらないものを捨てられない。
　　　詳しくは「トイ・ストーリー」をご覧下さい。
※３　ご両親・・・
　　　寡黙な義父は、決して多くは語らない。
　　　詳しくは「シーマン」をご覧下さい。

（注）ISOJIN Blogは架空の物語です。過去、あるいは現在において、たまたま実在する人物、団体、出来事に類似していても、それは偶然に過ぎません。