2010年7月17日土曜日
少年の心
大人になると、失うものがたくさんある。
友人とも疎遠になり、
自分を見失う人もたくさんいる。
その点、私は恵まれている。
先日も妻から突然の招集命令。
妻:「ビニール嫁が遊びにくるから、
今日は早く帰ってきてちょ。」
仕事に追われていたが、
もうそれどころではない。
そそくさと帰り支度をし、
待ち合わせ場所のイオンに向かう。
そこにはビニール男も到着していた。
ビ:「おう、ISOJINお久しぶりぃ!!」
相変わらず、テンションがすこぶる高い。
柿安の炭火焼ハンバーグをかっ喰らいながら、
ビニール男のトークは弾みに弾む。
ビ:「最近、毎週たこ穫り※1に行ってて、
いいスポット発見したから一緒に行こうゼ!!」
さすが、我が友である。
33歳になった今も、
今だ少年の心を忘れていない。
危険を屁とも思わない冒険心。
その姿は、どこぞのゴム人間とカブって見える。
その目は眩しすぎて、
とても直視することは出来ない。
若い男女が集まって、約1時間のタコ穫り談議。
(一体、何やってんだが??)
タコへの情熱をひたすら語る。
ビニール嫁の表情を眺めてみると、
案の定、不安そうな様相。
命知らずな漢(おとこ)の妻は大変だ。
その姿は、まさに海んちゅ。
ただ、私が心配なのが海洋汚染。
ビニール男は、興奮状態が極まると、
体内の有害物質を噴出する傾向がある。
そのため、彼の半径10m以内に入ると、
甚大な被害を被ることとなる。
それは、昨年のたこ穫りで実証済みだ。
私:「どうか、脱糞だけはご勘弁を・・・。」
ビ:「大丈夫、もうしないから(笑)。」
一点の曇りもない、満面の笑み。
この笑顔が恐ろしい。
また、う○こをまき散らすんじゃないかという
一抹の不安は残る。
でも、タコ穫りは是非行きたい!!
昨年、私はタコを発見することなく、
シュノーケリングで終わってしまったからだ。
今年こそは、
自らの手でタコを生け捕りたい!!
ということで、
早速、痛風男に連絡を取る。
私:「明日、タコ穫り行くんだけど、暇でしょ?」
痛:「明日かぁ、午前中仕事なんだよね。」
私:「そっかぁ、残念。」
痛:「ちょっと待って!!」
私:「んっ??」
痛:「だったら、タコ穫りはまたにして、
午後から御在所※2行かない??」
私:「御在所・・・??」
なんという、身勝手な男だ。
こちらが、タコ穫りにいくと言っているのに、
強引に行き先を山に変更してくるとは・・・。
けっ、山んちゅめっ!!
別に、私はいいのだが、
タコ穫りに取り付かれた
ビニール男の気はすまないだろう。
念のために、海んちゅビニール男に、
確認を取ってみた。
私:「痛風男は、山に登りたいらしいよ。」
ビ:「おう、いいよ。じゃあ山行こっ!!」
私:「へっ・・・???」
1時間以上に渡って熱弁を繰り広げた男が、
まさかの変わり身。
それを聞いていた私も妻もビニール嫁も、
お口をあんぐり。
あんたがいいって言うんなら、
それはそれでいいんだけど・・・・。
既に、ビニール男の目は、
明日の山登りに向けて輝きを増していた。
≪イソジンのよく解る 用語解説≫
※1 タコ穫り・・・
モリ一つでタコを生け捕る。
案外、モリ突き禁止エリアが多いので、
海に繰り出す際は、HPなどでチェックをした方が良い。
詳しくは「いきなり黄金伝説。」をご覧下さい。
※2 御在所・・・
鈴鹿山脈の主峰をなす山で、標高は1,212m。
急角度な登山道は、ロッククライマーに愛されている。
詳しくは「もののけ姫」をご覧下さい。
(注)ISOJIN Blogは架空の物語です。過去、あるいは現在において、たまたま実在する人物、団体、出来事に類似していても、それは偶然に過ぎません。
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