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2008年9月17日水曜日

墓場鬼太郎


旅行には雨の日プランが欠かせない。

何故なら、私は究極の雨男※1だからだ。

今回の社員旅行は、上司にグッズを持ってきてもらった。

その上司は、映画や漫画が大好きなため、
私とはとても話が合うのである。

仕事が忙しいのによくそんな暇があるもんだと、
私はいつも感心している。

おそらく、散髪する時間を削っているに違いない。

何故なら、長く伸びた前髪は”オン ザ まゆげ”ならぬ
”オン ザ まぶた”だからだ。


ロマンスグレーになった髪が目を隠すその様は
完全に鬼太郎である。





















持ってきてもらったグッズは、雨の日を想定して、
ハンディカラオケやPS2である。

家からの道中、さぞかし重たかったに違いない。

ちなみに、空港の荷物検査で重量オーバーで捕まったそうだ。

荷物を持ち込みすぎたからである。

スーツケースの重量制限は15kgなのだが、
おもちゃのおかげで総重量は21kgになっていた。

今回は特別に許してもらったのだが、
スタッフに厳重注意を言い渡されたらしい。

空港ではその独特の風貌とあいまって

かなりの不審人物に思われていたに違いない。

でも、鬼太郎とても50代とは思えないパワフルな男である。

食事の仕方も、とにかく豪快である。

居酒屋では、髪の毛針を飛ばすのではなく、
喰いカスをビュンビュン飛ばしてきた。

おかげで、私の左手は喰いカスでヌルヌルだ。

さすがのねずみ男※2もこれには参った。
























ホテルの大浴場でヌルヌルを落として脱衣所に戻ると、
鬼太郎が頭に目玉のおやじをのっけて歩いている。

よくよく見ると、シャンプーの泡※3である。

余計なお世話だが、ちゃんと髪を洗ったのか心配である
。

最終日の夕方、何もやることがなかった私は
鬼太郎の部屋に遊びに行くことにした。

扉を開けると、そこは熱い熱気に包まれていた。

既に、異様な盛り上がりを見せていたのだ。

鬼太郎が郷ひろみの「お嫁サンバ」を熱唱していたのである。

いい歳こいたおっさんがホテルの部屋で大熱唱。

社会人でここまで大胆な行動をとる人はなかなかいない。

私も鬼太郎の生き様を見習わなければならない。

テンションは一気に盛り上がった。

負けじと尾崎豊の「15の夜」を熱唱。


会場(ホテルの一室)のボルテージは最高潮に達した。

私が盗んだバイクで走り出そうとしたその時、
けたたましいノックの音が会場に鳴り響いた。

扉を開けると、隣の部屋の女性が立っていた。

女:「社会人なんだから、常識くらい守ってよね。」

何も返す言葉がない・・・。

相当うるさかったに違いない。

全ては顔の表情から読み取ることが出来た。

もの凄い形相で睨みつける姿に、
私はすっかり意気消沈してしまった。

カリスマ尾崎もすっかり井上マー※4に成り下がっていた。














でも、そんなことにもめげない男が鬼太郎だ。

鬼:「それだったら小さい声で歌えばいいじゃん。」

さすが、幽霊族。小さなことにはビクともしない。

半妖怪の私などは足元にも及びません。

ビビビのねずみ男の”ビ”はビビリの”ビ”である。

鬼太郎が小声でさえずる中、
私はウトウトと昼寝をしていた。

そこへ再び扉をノックする音が・・・。

恐る恐る扉を開けると、
そこにはホテルマンが立っていた。

ホ:「少しお声が漏れるのですが・・・。」

おそらく、一般のお客様がホテルに苦情を入れたに違いない。

これには、さすがの鬼太郎も諦めざるをえなかった。

でも、鬼太郎はまだまだもの足りないご様子だ。

その夜、私は沖縄のネオン街に誘われた。

疲れがピークに達していたため、
丁重にお断りさせてもらった。

誰にも縛られたくないと、逃げ込んだのだ。

私は少し自由になれた気がした。

その後、他の人からも断られた鬼太郎は
一人淋しく深夜の街を徘徊したそうだ。

行く先も解らぬまま、暗い夜の帳(とばり)の中へ・・・。

≪イソジンのよく解る用語解説≫
※1 究極の雨男・・・
   雨の日は、やはり部屋でくつろぐのが一番
。
   でも雨男すぎると、友達が減ってしまう。
   詳しくは「雨に唄えば」を御覧ください。
※2 ねずみ男・・・
   そのとても人間らしい生き方は多くの人に支持されている。
   私もとても人間らしい男なのである。
   詳しくは「ゲゲゲの鬼太郎」を御覧ください。

※3 シャンプーの泡
   人それぞれ好みはあると思うが、
   私のオススメはサンスターのトニックだ。

    詳しくは「愛・地球博」を御覧ください。

※4 井上マー・・・
   
本名は井上雅史。吉本工業所属のピン芸人。
   尾崎豊のものまねが得意。



(注)ISOJIN Blogはフィクションです。実在する人物、団体、事件には関係ありません。全ての判断は読者であるISOJINマニアの皆様に委ねられています。

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