富士登山※1でわかったことが二つある。
1)富士登山はあまり喉が渇かない。
持って行った2ℓのポカリはほとんど手つかず、
結局、2kg荷物が増えただけだった。
(寒くて、とても飲めません。)
2)Peak A Peakのカッパが大流行。
私と同じカッパ(オレンジ)を来ていた人が多かった。
(スポーツデポで安売りしてたからかな?)
体験しないと、わからないこともあるもんだ。
昇りは7時間半、下りは4時間、
合わせて、約11時間。
過酷だった富士登山も終わってみると、
なかなかさみしいものだ。
念願の富士山で、記念撮影。
雨が降っていて、風景も写っていないが、
とても貴重な写真である。
なんてったって、唯一の富士登山写真。
途中で、携帯の電源がなくなったのは想定外だった。
(う~ん、残念。)
しかも、二人ともよそ見をしている。
(ちっ、通りすがりの女め!!)
今さらながら、
デジカメを忘れたことが悔やまれる。
(デジカメの充電はバッチリしてたのに・・・。)
結局、手元にある写真はこれ一枚。
皆さんに過酷な登山風景を
お伝えることが出来なくて残念だ。
(でも、一番悲しいのはオレなんだよ。)
下界に着いた私たちは、
富嶽温泉「花の湯」に行き、疲れを癒す。
疲れを癒して、ふと気付く。
あっ、妻に電話をしていない。
電源がなくなったため、
痛風男に携帯電話を借り、電話する。
妻:「あぁ、ISOJIN?心配したよ。
電話つながらなかったから・・・。」
私:「ごめんちゃい♥」
一部では、遭難の噂もあったらしく、
かなり心配していたようだ。
捜索願でも出されて日にゃあ、一大事。
(ちなみに、ヤクはやってないよ。)
でも、妻も案外かわいいところがある。
(マンモス うれピー!!)
道中、サービスエリアでお土産を買う。
ケチな私のポリシーに反するが、それもまた良し!!
(妻が喜ぶ顔が見れたら、安いもんである。)
11時30分、ISOJIN邸到着。
(痛風男よ、運転お疲れ サマンサ ターーバサ。)
私は帰るや否や、妻に富士登頂の話を捲し立てた。
・富士登山駅伝が中止になった事。
・暴風暴雨の中で山頂に登った事。
・空気が薄くてすぐに疲れて大変だった事。
・山頂は寒くて、凍え死にそうだった事。
・コーンも入ってないコーンスープがおいしく感じた事。
私が体験したこと、感じたことを、
妻に事細かに聞かせてあげた。
妻:「スゴいじゃん。で、写真ある?」
私:「残念ながら、これしかないんだよね。」
私はそっと、写メを差し出す。
妻:「これじゃ、どこかわかんないじゃん。」
私:「雨降ってたからな。」
妻:「ところで、本当に富士山登ったの?」
キラキラしていた妻の目は次第に曇り始めた。
妻:「富士山頂から手紙出してくれた?」
私:「凍え死にそうで、それどころじゃなかったよ。」
妻:「じゃあ、杖は? 杖に焼印は?」
私:「・・・」
悪いことをしたわけでもないのに、
何故か詰め寄られる私。
その時、私は何一つ証拠を
残していない自分に気付いた。
疑惑の眼差し、完全なる容疑者扱い※2。
被告席で訴える言葉がむなしくこだまする。
今や、この感動を伝える手段は言葉のみ。
でも、日頃の行いが悪いのか、
この手段ではとても真実とは信じてもらえない。
全くなす術がない。
うぅ、えん罪※3だーーーー!!
いくら、叫んでもその声は妻には届かない。
(オレは本当にやったんだ。やりきったんだぁ。)
出来ることなら、
私の脳みそをかっぽじって見せてあげたい。
(あんなに大変だったのに・・・。)
裁判員制度※4がスタートしたが、
被告席に立つ容疑者に気持ちがよくわかる。
追いつめられるISOJIN。
時刻は深夜1時。
私:「明日は仕事だ。とりあえず、寝よう!!」
文字どおり、泣き寝入りだった。
(くっ くやしすぎる・・・。)
最後に、富士登山の教訓を二つ。
一つ、携帯はバッチリ充電しておくこと。
一つ、何でも良いから証拠を残しておくこと。
− 以上 −
≪イソジンのよく解る用語解説≫
※1 富士登山・・・念願の富士山登頂。
つらく厳しかったあの日が懐かしい。
詳しくは「富士山(後編)」をご覧下さい。
※2 容疑者扱い・・・
プレゼンを行う時、被告人になったと思うのは
私だけだろうか・・・。
詳しくは「逆転裁判」をご覧下さい。
※3 えん罪・・・
電車に乗る時は細心の注意が必要だ。
詳しくは「それでもボクはやってない」をご覧下さい。
※4 裁判員制度・・・
2009年8月5日、初の裁判員裁判が実行された。
裁判所に新しい風が吹いた瞬間だ。
詳しくは「12人の優しい日本人」をご覧下さい。
(注)ISOJIN Blogはフィクションです。実在する人物、団体、事件には関係ありません。全ての判断は読者であるISOJINマニアの皆様に委ねられています。
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