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2008年3月11日火曜日

逆転裁判


矛盾が許せない男とトラブルに巻き込まれやすい男。

今回はそんな二人の男の熱いバトルの物語である。

大勢の人前に立って、
企画をプレゼンする時がある。

プレゼンで一番緊張するのは、
発表時よりもむしろ質疑応答の時である。


想定外の質問をされると、
非常に緊張を強いられるものである。

あまりに厳しい質問は
何故か法廷に立たされている気分になる。















プレゼンをやっているのに、
いつの間にか被告人になっているのだ。

わが社に「質問の鬼」と呼ばれている人間がいる。

矛盾を許さないその姿勢から社内では、
尊敬されながらも、怖れられている存在である。

絶対に敵にはまわしたくない人間だ。

私は彼のことを密かに
みっちゃん」と呼んでいる。

法廷バトルの傑作ゲーム、「逆転裁判」の
天才検事・御剣怜侍(みつるぎれいじ)に似ているからだ。



紅のスーツに身を包んだこの男(右図)である。

彼の侍のような張り詰めた雰囲気、
頭の回転の速さ
端正な顔立ち
どれをとってもみっちゃんである。

このみっちゃんに目の敵にされている同僚がいる。

トラブルに巻き込まれやすい体質だ。

彼のことは、矢張政志(下図)と呼ぶことにしよう。













先日、パワポ※1を使った新規企画のプレゼンを行った。

案の定、みっちゃんから鋭い質問が飛ぶ。

質問に答えるのはヤッパリ矢張である。

事件のカゲに、ヤッパリ矢張。」

どうしても、事件に巻き込まれてしまう体質だ。

みっちゃんの挙げた手は
プレゼンター矢張に突き刺さる。

広がった指先は
異議あり!」と唱えているようである。

矢張の顔は次第に青ざめ、
冷や汗は止めどなく流れ出す。


それでも、みっちゃんの攻撃は緩むことはない。

みっちゃんにはサイコ・ロック※2が見えるのだろうか?

さらに、矢張を追い詰めていく。

まさに、蛇に睨まれたカエルである。


プレゼンを終えると矢張は放心状態になっていた。

心なしか、すこし老けたような気がした。

現在、私たちはその新企画を実現させるべく
日々悪戦苦闘している。

プロジェクトはチームごとに進行しており、
何の因果か、矢張とみっちゃんは同じチームである。

矢張は肩身の狭い思いをしているに違いない。

私は心配して声をかけてみた。

私:「グループミーティング、うまくいってる?」

矢張は驚くほど羽を伸ばした様子でこう言った。

矢:「質問の鬼と同じグループだから、
   厳しい質問攻めもなくて、精神的に楽だよ。」


発想逆転させる・・・

ナルホド、鋭すぎるっ!!

彼は被告人 矢張政志なんかではない。

ヤッパリ、弁護士 成歩堂龍一 (下図:青スーツ)だ。













脚立ハシゴの違いがわかり、
物事の本質を見抜くことができる大人の男である。


そうは言ってもしょせん矢張は矢張だ。

彼に主人公はもったいない。

今後も、矢張には私たちのために、
全てのトラブルを引き受けてもらいたい。

≪イソジンのよく解る用語解説≫
※1 パワポ・・・
   正式名称はパワーポイントという。
   プレゼンテーションを行う時に、非常に便利なソフトである。
   あまりテクニックを多様すると、自爆するので注意が必要である。
   詳しくは「パワポ使いへの警告」をご覧下さい。
※2 サイコ・ロック・・・
   心の中にある秘密にしたいことが、鎖と錠前となって形になって
   見えること。心理錠とも言う。



(注)ISOJIN Blogはフィクションです。実在する人物、団体、事件には関係ありません。全ての判断は読者であるISOJINマニアの皆様に委ねられています。

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