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2010年5月2日日曜日

失敗しない家選び (交渉編2)

 
全てを出し切った一回目の交渉から一週間。

金額の行方が気にかかる。

とは言っても、
私の中でほぼ結論は出ていた。

このマンションは買いである。


ただ気になるのは、お値段のみ

相手の言い値で買うのだけは、
(しゃく)に障る。

安ければ安いに越したことはない。

(どうせ、オイラはケチケチマン。)

きっちりと、納得いくまで値引交渉を・・・。

いよいよ、二回目の交渉だ。

開口一番、先手を取る。

主導権は渡さない。

私:「結局、いくらまで勉強できます?」

営:「がんばっても、○千万円です。」


(ちっ、あんまり変わんないじゃん。)


残りの部屋数も限られているため、
なかなか値引きにはのってこない。

販売から既に一年が経過している物件。

もう少し何とかなりそうな話である。

ここは、根気強く交渉する必要があると判断。

少しずつ、ゆさぶりをかけてみる。

私:「仮に、今日契約した場合、どうなります?」

こちらの本気度をアピールし、
相手の出方を窺ってみる。

営:「それでしたら、あと○万円くらいは・・・。」

(小刻みやなぁ。)

心が少し痛むが、嫌な質問を浴びせてみる。

私:「お隣りさんは、完売みたいですけど、
   なんで御社の物件は残ってるんですか?」

(こんなこと言われたないなぁ。)

感情的になって、
値引いてくれたら儲けものである。

営:「うちは、値引き販売してないんですよ。」

(う~ん、残念。)

でも、ここで引き下がるほど、
私は甘い男ではない。














私:「ちなみに、共益費と管理費って、
   おいくらでしたっけ?

(新参者の見過ぎか、口癖がうつってしまった。)

営:「合わせて○万円です。」

私:「ほう、残ってるマンション分の負担は誰が?」

営:「実は、うちなんですよ。」

私:「えっ、御社がご負担されているんですか?」

わかっていたことだが、
敢えて、大げさに驚いてみる。

営:「だから、うちも大変で・・・。」

(いよいよ、本音が飛び出してきた。)

これは、チャンスだ!!

私は机の上に置いてあった電卓を借り、
おもむろにランニング費用を計算。

私:「ってことは、○室×○万円だから、○○万円
   それに、人件費に広告宣伝を入れると・・・、
   1年放置したら結構な金額になりますよ。」

電卓を営業マンに向かって提示する。

その姿は、まるで印籠を突き出す水戸黄門の格さん※1

















仕事柄、どうにも無駄な支出が気になる性分。

私:「多少、値引き販売してでも、
   長い目で見たら、絶対にその方がお得ですよ。」

もはや、どちらが営業マンかわからない。

営:「確かに、おっしゃるとおりですね。」


(しめしめ、腹の内は見えてきた。)

営業マンが、屈服した瞬間だ。

突破口は見つかった。

そうなったら、一気にたたみかかる。

私はまず相手にイエスと言わせることに専念。

(いわゆる、イエスバットの法則ね。)

ここからが勝負である。

私:「御社は、3月決算ですよね。」

営:「はい、そうですけど・・・?」

私:「前月は売上押し込んだんじゃないです?」

営:「えぇ、なかなか大変でした。」


いよいよ本音が見えてきた。

もうひと押し。

私:「私がここで買うって言ったら、
   ○○さん的には助かりますよね。」

営:「えぇ、お願いします。」


私:「4月は先月の関係で売上が落ち込むと思うんですが、
   数字が作れたら、会社もうれしいはずですよね。」

営:「そりゃあ、もちろん。」


さりげなく、WinWinの関係をアピール。

そして、一気に念押し。

私:「じゃあ、そうしましょう。」

営:「えっ?」

私:「上司に、見込客ありとお伝えください。
   ○千万円だったら今月買いますと。」

営:「本当ですか?」

私:「たった二回の面談で、クローズさせたら、
   ○○さんの評価も上がるんじゃないです?」

営:「そうですね。」


私の思うままに交渉は進んだ。

読み通りである。

交渉とは、相手を気持ちよく騙すことである。

それなりに、テクニックも必要。

自分の思い描いた通りに、
相手が動くさまはとても気持ちが良いものだ。

(性格わるっ!!)


これだから、交渉はやめられない。

でも、もしかしたら、

もうちっと、値引きが出来たかも・・・。

私としては、欲がなかったな。 。。(´Д`|||)

≪イソジンのよく解る用語解説≫
※1 新参者・・・
   累計38万部を超える東野圭吾の推理小説。
   阿部寛主演でTVドラマ化。
   主人公加賀の住む小伝馬町には住みたくない。
※2 水戸黄門の格さん・・・
   人生楽ありゃ苦もあるさ。
   かげろうお銀(由美かおる)の入浴シーンと
   印籠を掲げるシーンは嫌な現実を忘れさせてくれる。
   ちなみに、印籠を出すのは助さんではなく、格さんの役割。





(注)ISOJIN Blogは架空の物語です。過去、あるいは現在において、たまたま実在する人物、団体、出来事に類似していても、それは偶然に過ぎません。
 

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