100億稼ぐ超メール術

私はメールが苦手である。

一部のISOJINマニア※１の間では
有名な話である。

メールの返信がとても遅いのだ。

その理由は私の厄介な性格にある。

私は照れ屋のくせに、自己顕示欲の塊なのだ。

例えば、ブログの場合・・・。

せっかく時間をかけて書いているので、
みんなに見てもらいたい。

でも、そんな図太い神経は持ち合わせていない。

自分から見て欲しいとは、
言い出せないのだ。

そこで、こっそりとブログアドレスを教える。

「誰にも内緒だよ」

という余計な一言とともに・・・。

実は、私はとてもシャイなのである。

心の中ではいつもこう叫んでいる。

「もっと俺に注目してくれぇ〜！！」と。

こんな性格のおかげで、
私の行動はいつも矛盾だらけ。

特に知り合って間もない人に対しては、
その傾向が顕著にあらわれる。

自分からメールアドレスを聞くことが出来ないのだ。

もっと仲良くなりたいのに・・・。

私のことをよく知る人は、
口をそろえてこんな言葉を宣（のたま）う。

「そんなことはない！」と。

でも、本人が言うのだから間違いはない。

ちなみに、私は今まで
自分から人にメアドを聞いたことはない。

（とても自慢できることではないが・・・。）

100億稼ぐ超メール術という
ホリエモンが書いた本がある。




ホリエモンはこのメール術を駆使し、
あそこまで上り詰めたのだ。

さすが、崖っぷち男。

やることが違う。

私には100億円どころか、100円すら難しそうだ。

「携帯どこの使ってるの？」

「メアド教えて。」

こんな単純な言葉が出てこないのだ。

もっと、仲良くなりたい！！

もっと、たくさんコミュニケーションをとりたい！！

もっと、自分のことを知ってもらいたい！！

心の中ではそう思っているのだが、
それを声に出すことが出来ない。

かなりのシャイボーイだ。

勇気をふりしぼってメールアドレスを聞く。

でも、照れ屋なので、
自分からメールをすることはほとんどない。

そんな自分がわかっているため、
どうしても躊躇してしまうのであろう。

どうしたら良いのかわからない。

完全に迷子である。

たまに相手からメールが来ると、
それはそれは舞い上がってしまうのだ。

文字通り、小躍りすることもある。

メールを送ってくれる人ばかりだと良いが、
世の中そんなに甘くない。

人生には、自らメールを
しなければならない時がある。

絶対に負けられない戦いが、そこにはある。

初めてメールする時、
私はいつもこの上なく緊張をする。

試練の時、戦いの時、自己を顕示する時である。

私：「おもろいメールを作るぞ！！！」

意気込んで、文章を考える。

でも、「アピールしすぎかな」と思い直す。

出来るだけ無駄を削り、
用件だけの文章に書き直す。

文章の構成、文法、言葉の使い方・・・。

様々な角度からメールの見直しを行う。

「私」だと硬いし、「俺」だと偉そうだな。
「オイラ」だと子供っぽく演出してるように見えるし、
「私め」だと媚を売ってるみたいだな。
さすがに、「拙者」はちと古いかな。

主語ひとつ決めるのにも大苦戦。

時間はあっという間に過ぎていく。

さんざん迷ったあげく、一端下書きに保存する。

気分転換をしてから再びメールを見直す。

下書きフォルダを見直し、ゾッとする。

数分前に書いていた文章が、
非常につまらないことに気づくのだ。

浮かれていた自分の姿を想像し、
落ち込むのである。

文章の推敲を何度も何度も繰り返し、
ようやくメールは完成する。

ゴミ箱送りになるものも少なくはない。

努力はむなしく徒労に終わるのだ。

メールを受け取る人は、
そんな私の苦労を全く知らない。

私にとってメールとは、
まさに真剣勝負の場なのである。

一日のうち数時間はこんな作業に費やされる。

私の作成したメールは最高傑作品なのだ！！

だから、やさしい心で見守っていただきたい。

そして、声を大にして言いたい。

メールの返信が遅いのは・・・、

決して面倒くさいからではない。

≪イソジンのよく解る用語解説≫
※１　ISOJINマニア・・・
　　　ISOJIN　Blogが好きでたまらない人のこと。
　　　一般の人間に比べると、アホな人が多い。
　　　現在、東海地区を中心に大きな広がりをみせており、
　　　その伝播率はハンパではない。
　　　詳しくは「百匹目の猿」をご覧ください。



（注）ISOJIN Blogはフィクションです。実在する人物、団体、事件には関係ありません。全ての判断は読者であるISOJINマニアの皆様に委ねられています。