2008年1月25日金曜日
悲しいとき
「納豆」という言葉を聞くと、
一人の友人を思い出す。
あまり思い出したくない悲しい思い出だ。
2年程前の話である。
友人と私は仕事が忙しく、
なかなか会えない日々が続いていた。
久しぶりに予定をあわせて、
ゴルフの打ちっぱなしに行く約束をしていた。
待ち合わせの時間になっても、
なかなか友人は現れない。
普段から時間にルーズな友人だった。
でも、そのときはなんだか妙な違和感があった。
突然、友人の彼女から電話が鳴る。
彼女:「○○君が仕事中に倒れ、救急車で運ばれた。」
私は目の前が真っ暗になった。
あんなに元気だったのに・・・。
今の私には何もできない。
ただ彼女からの連絡をひたすら待つ。
ただ時間だけが刻々と過ぎていく。
あんなにいい奴だったのに・・・。
私と彼とは小学校の頃からの付き合いだった。
同じバスケット部で活動し、
苦難をともに乗り越えてきた大切な仲間だ 。
本当の意味での親友といえる奴だった。
いろいろな思い出が
走馬灯のように頭の中を駆け巡る。
頼むから死なないでくれ。
そんな中、再び彼女からの呼び出し音が鳴る。
私はグッと唾を飲み込み、受話器に耳を傾ける。
彼女:「心配ないよ。痛風※1だって。」
って つ・う・ふ・う???
な~んだ、ぜいたく病か〜い!!
後で調べてみてわかったことある。
痛風はこじらせると死に至ることもあるらしい。
とても恐ろしい病気である。
キェルケゴール※2ではないが、
人を絶望へとおとしめる死に至る病である。
痛風の痛みたるや相当なものらしい。
万力で全身を締め付けられたような痛みだそうだ。
何故、そんなことがわかるのだろう?
とても、気になって眠れやしない。
話はそれてしまったが、生きていてくれて良かった。
本当に良かった。
生きてさえいれば、なんとでもなる。
彼は飲食関係の仕事についてるということもあり、
贅の限りを尽くした食生活をおくっていたようだ。
このままいけば、間違いなく死んでいた。
そう、彼はその日まさに命拾いをしたのである。
この日を境に彼と私の食生活が一変した
ということは言うまでもない。
納豆も痛風の原因になるということで、
私は大好きな納豆も食べないようになった。
月日は流れ・・・。
私の毎朝の食卓には納豆がかかせない。
この時の教訓を活かしていれば、
納豆事件※3は起こらなかったのに・・・。
思い出すだけでも、涙があふれる悲しい思い出である。
≪イソジンのよく解る用語解説≫
※1 痛風・・・
「風が吹いても痛い」と言われ、激痛を伴う病気である。
中年男性に多く、ぜいたく病とも言われる。
発作が起きても治療をせずに放っておくと、死に至ることもある。
気をつけたい食品(肉類・魚・貝類・イカ・タコ・納豆 など)
※2 キェルケゴール・・・
デンマークの哲学者、実存主義の創始者
通の人はキルケゴールではなく、キェルケゴールと書くらしい。
※3 納豆事件・・・
血で血を洗う凄惨な事件。
夫婦喧嘩は些細なことで起こるものだ。
詳しくは「やりすぎコージー」をご覧ください。
(注)ISOJIN Blogはフィクションです。実在する人物、団体、事件には関係ありません。全ての判断は読者であるISOJINマニアの皆様に委ねられています。
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