Isojin Blog: タイタニック

自称キラがお土産を持ってうちにやって来た。

1ヶ月程前、彼と電話でこんな会話をしていた。

キ：「台北に行ってきます。」

私：「マジで？　じゃあ、お土産お願いします。」

この言葉を真に受けて（失礼？）、
わざわざお土産を買ってきてくれたのだ。

なんて、いい人なんだ。

実は、自称キラはかなりの映画通。

今宵も映画話で盛り上がる。

自称キラの大好きなダークエンジェル※１の話から、
タイタニック※２の話にまで広がっていった。

一応、ジェームズ・キャメロンつながりだ。

タイタニックは言わずと知れた名作映画。

1998年のアカデミー賞では11部門受賞している。

映画史上最高の興行収入を
叩きだしたお化け映画でもある。

実は、自称キラはタイタニックが
あまり好きではないらしい。

主人公のジャック（レオ様）が
最後に死んでしまうのが気に入らないようだ。

どうやら、ハッピーエンドがお好きなよう。

その熱は次第に高まり・・・、
ダイヤの下りについて熱弁を振るっていた。

そして、ついに怒りは頂点に達した。

キ：「元々、フィアンセの物なのに、
　　　なぜ、ずっと大切にしてたんだぁ？？」

私：「まぁ、確かに。」

キ：「しかも、その大切なはずのダイヤを
　　　最後の最後に何故捨てたぁ！！」

私：「・・・。」

（怒り心頭のご様子だ。）

その後も、怒りはおさまらない。

（困ったなぁ・・・。）

単純思考の私なんぞは、
一夜の恋物語に憧れたものである。

ビデオを買って、何度も繰り返し見た程だ。

（オレの恋愛バイブルさっ。）

ダイヤに関する、私の考えはこうだ！！

ダイヤが入っているはずの金庫で、
裸婦スケッチが発見されるところから、
物語が始まっている。

当然、物語の結末には
ダイヤの行方を書かなければならない。

ジェームズ・キャメロン監督も
このダイヤの演出方法を
どうするか頭を悩ませたと思う。

ダイヤを売って金持ちになるという
シナリオもあったと思う。

でも、あえてそうしなかった。

それは、ジャックとの大切な思い出だから・・・。

84年ぶりにラフスケッチとの再会。

ローズ（老婆）は心が満たされたのだろう。

ジャック（海）にダイヤを返すことで、
ローズは今まで抑えていた気持ちを
報告したかったのだと思う。

だから、ローズはダイヤを売らずに、
海に投げるという暴挙に出たのだ。

思い出は美しいまま終わらせたい。

きっと、キャメロン監督も
この思いを映画に込めたかったに違いない。

自称キラとそれぞれの持論で激論を交わした。

深夜まで及んだタイタニック談義。

（なんで、今さら？）

時計の針はもう12時を指そうとしていた。

あれっ、急に眠気が・・・。

私はあからさまに時計を見つめる。

その視線に一点の狂いもなかった。

その雰囲気を察して
自称キラはそそくさと帰り支度を・・・。

（なんて、空気が読める人なんだ。）

お土産をくれた人に対してヒドい扱い。

自称キラが帰った後、
私は妻にこっぴどく怒られた。

妻：「時計、見過ぎ！！」

ごめんね、自称キラ。

だって、すっごく眠たかったから・・・。

≪イソジンのよく解る用語解説≫

※１　ダークエンジェル・・・
　　　ジェームズ・キャメロン監督のサイエンス・フィクション。
※２　タイタニック・・・
　　　1912年のタイタニック号の遭難を背景にした劇映画。
　　　全米興行収入は6億ドル、全世界興行収入は18億3500万ドル。
　　　あまりの人気に続編のMAD作品も作られた。
　　　現代の最新技術で死んだジャックを蘇らせるという
　　　荒唐無稽なストーリーは下のYouTubeで・・・。