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2009年8月2日日曜日

富士山(前編)


深夜二時、私たちは富士宮グリーンホテルを出発した。

ついに、富士登山に挑戦の時が来たのだ。

震えるつま先、高鳴る鼓動。

私は期待に胸を膨らませ、
タクシーの後部座席で物思いにふける。

(あぁ、苦節三十年、ようやくこの日がやって来た。)

でも、感慨に浸っている時間は、
そう長くは続かなかった。


運転手さんが手厚くお迎えしてくれたからである。

運:「今年は五合目まで歩いている人が多いなぁ。」

私:「不景気の影響ですかねぇ。」


運:「間違いなく、リーマンショックの影響だね。」

私:「そっ そっ そうなんですかぁ?」


運:「富士山も歩いて、なくなってるかもしれないよ。」


私:「そんなぁ~、困りますよぉ。」


(なかなか、オモロいおっちゃんだ。)

こんな調子で約1時間、
運ちゃんのトークは途切れなかった。

















五合目付近は路上駐車の嵐。

駐車スペースは全く残されていなかった。

(やはり、痛風男の選択は正しかった。)


駐車場の一角には、縄で仕切られたところがあった。

そう、先日の落石事故の現場である。















そのせいか、自衛隊の人たちの姿を多く見かけた。

ふと、私の脳裏に忌々しい記憶が甦る。

私:「第7サティアン※1ここら辺でしたっけ?」


運:「えぇ、山梨県の河口湖の近くですけどね。」

私:「
確か、ガリバー王国になったんですよね。」

運:「はい、でも今はもうないですけどね。」














富士山麓にオーム鳴く (2.2360679)
 ※2

(あぁ、受験戦争が懐かしい。)


富士山のふもとで√5を思い出す。

それもまた趣がある。
 (いと、おかし。)

きっと、今ではこの覚え歌も変わっていることだろう。

富士山麓にオウム無く












続きは → 富士山(後編)

≪イソジンのよく解る用語解説≫
※1 第7サティアン・・・
   一般的に化学兵器精製プラントだったと言われている
   某教団の施設。
※2 富士山麓にオーム鳴く・・・
   √5(2.2360679)の覚え歌。
   「富士山麓に」とあるが、「に」は省いて考えなければならない。


(注)ISOJIN Blogはフィクションです。実在する人物、団体、事件には関係ありません。全ての判断は読者であるISOJINマニアの皆様に委ねられています。

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