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2008年7月30日水曜日

バーティカルリミット


そこに山があるからだ。


私は人に質問をされる度、
このように答えてるようにしている。


「何故、山に登るのか?」

最近、このような質問がとても多いのだ。

調べてみると、イギリス人の登山家
ジョージ・マロリー※1
同じ言葉を語っていた。

やはり、同じ登山家だ。

考えていることは似ている。


三重県に御在所岳※2という標高1212mの山がある。

伊勢湾や知多半島を
一望できるおすすめスポットだ。


湯ノ山温泉(別名:鹿の湯温泉)もあり、
疲れた体を癒すことも出来る。

傷ついた鹿が湯に浸かって、
傷を癒したという伝説もある温泉だ。


ちなみに、私は毎年 御在所に登っている。

理由は今更言うまでもない。

そこに山があるからだ。


今回、山に登ったメンバーは学生時代の友人、
痛風男と金八先生だ。

朝6時の待ち合わせなので、
痛風男邸で前泊することにした。

また、痛風嫁にお小言※3を言われそうだ。

気心の知れた連中なので、
御在所に向かう道中も会話が弾む。


ついつい会話が盛り上がり、
インターを乗り過ごす。


私たちの旅ではよくある光景である。

乗り過ごしたものは仕方がない。

時間を取り返すべく、
到着するや否や登山口を探す。


今回の登山コースは
ロープウェイのすぐ下を登る一ノ谷新道だ。


急斜面が多いコースは
平和ボケしている私たちに

刺激を与えてくれる絶好のコースである。

バーティカルリミットのように、
最悪 命綱を切ることを覚悟して登山に望んだ。



一ノ谷新道は木漏れ日の中で、
川のせせらぎを聴きながら、

登ることが出来る癒しのコースでもある。

山登りの途中に、川遊びも楽しめる
盛りだくさんの登山である。

傍から見たら、
海パン姿
で山道を闊歩する姿はとても滑稽だ。

でも、みんなで登れば怖くない。

会話は弾み、サクサクと快調に登っていく。

しかし、行けども行けども
せせらぎが聞こえない。


5合目に差し掛かった所で、
警備員らしき人とすれ違う。


私:「一ノ谷はこっちで良いですか?」

警:「ここは中道だよ。
   ここからじゃ一ノ谷には行けないよ。」


知らないうちにコースを間違えていたようだ。

私たちの旅ではよくある光景である。

間違えたものは仕方がない。

でも、海パン姿の自分たちの姿が妙に惨めだ。

下から見上げるととんでもなく高く見える山頂も
登ってしまえば、なんてことはない。

山頂は少しヒンヤリとし、
気温は下界に比べ約10℃ほど低い。


当然、空気はとても澄んでいる。

流れた汗も一気に乾いていく。

少し寒いくらいだ。


山頂の日本カモシカセンターには目もくれず、
バカっ話に華を咲かせる。

帰りもロープウェイを使わず、
そのまま下山する。


崖を駆け足で下っていく。

打倒ロープウェイである。


下山したら入れなかった川で思う存分水浴びをする。

梅雨明けしたとはいえ、川の水は相当冷たい。

火照った体は一気に冷却され、
寒さで
震えが止まらない。

冷えた体を温め、
疲れた体を癒すため、温泉に向かう。


しかし、ホテルの仲居さんに入湯を拒否される。

みづぼらしい自分たちの姿を少し恥じたが、
それが理由ではない。


入湯時間が5分ほど過ぎていたからである。

私たちの旅ではよくある光景である。

過ぎてしまったものは仕方がない。

私たちはしぶしぶ帰ることにした。

山頂での食事が物足りなかったため
腹ペコな私たちはいつも馴染みのトンカツ屋に行く。

店に入ろうとしたその時、
痛風男は財布がないことに気がついた。


どうやら、御在所ロープウェイの
駐車場に忘れてきたようだ。


再び、急いで逆戻り、引き返すことになった。

私たちの旅ではよくある光景である。

忘れてしまったものは仕方がない。

学生時代から全く成長していない私たちがそこにはいた。

≪イソジンのよく解る用語解説≫
※1 ジョージ・マロリー・・・
   「Because it is there.(それがそこにあるから)」
   という名言を残したイギリスの登山家。
   実は、面倒臭くて適当に答えただけという噂もある。
※2 御在所岳・・・
   1959(昭和34)年の御在所ロープウエイの開業。
   2009年には開業50周年の記念イベントが開かれる。
   開業当時の元ガイド達がイベントにガイドとして華をそえる。
   熟女好きな人は記念イベントに是非ご参加ください。
※3 痛風嫁のお小言・・・
   痛風男にいつも振り回されている嫁。
   そのストレスからか会うたびにISOJINにお小言を言う。
   超キレイ好きな潔癖人間。
   旦那のわがままを受け入れる、というか受け流すことが出来る素敵な人。
   詳しくは「墓場鬼太郎(目玉のおやじ)」をご覧ください。 

(注)ISOJIN Blogはフィクションです。実在する人物、団体、事件には関係ありません。全ての判断は読者であるISOJINマニアの皆様に委ねられています。

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