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2008年12月28日日曜日

プロゴルファー猿


ゴルフは紳士のスポーツである。


だから、私はゴルフをしない。

とは言うものの、私は今まで二回コースに出ている。

でも、その二回の体験で
私はすっかり自信をなくしてしまった。

実は、ゴルフをしない本当の理由は、
その腕前にあったのだ。

そして、何より金がかかるのが難点である。

だから、二年前の社員旅行でのグアム戦を最後に
完全にゴルフを封印したのである。

そんな眠れる獅子を起こした男がいる。

ダルシム※1だ。

最近、彼はゴルフにはまっており、
とっておきのコースを紹介してきた。

三重カントリークラブ白川コースだ。

このコースはフェアウェイが狭く、
距離が短いのが特徴である。















ダルシムも小癪なことをする。

私の唯一の得意技、
ドライバーを警戒しているようだ。

さらに、
ダルシムは刺客を送り込んできた。

体こそちっこいが、運動神経抜群の男である。

凛々しいまゆげに鋭い目つきは、
恐れを感じずにはいられない。

コースに出たのはたったの一回こっきり、
その実力は未知数である。

さらに、今回は練習なしでの参戦だ。

そのクソ度胸は感服に値する。

注目の第一打。

ドキューーーーン。

雲をさき、嵐を呼ぶ”とはこのことだろう。

思わず、一同叫んでしまった。

ナイスショット!!

その姿はまさに猿谷猿丸※2だ。














我々全員が脅威に感じた瞬間だ。

眠っていた私の闘争本能にメラメラと火がついた。


そして、私がティーグランドに立つと、
猿丸は素振りで私の気を散らしてくる。

素振りをすると見せかけて、
ダフった砂を私の全身に浴びせるのだ。

どうやら、私のやる気を削ぐ作戦のようだ。

そして、痛風男はおしるこ
や大福餅を食べまくる。

どうやら、私の気をそらす作戦のようだ。


二人とも紳士とはほど遠い。

この
連携プレイに翻弄され、
ハーフの時点で
私はダントツのビリ

この時、誰もが私のビリを確信していた。


後半戦、怒濤の巻き返しが始まろうとは
まだ誰も知る由がなかった。


プロゴルファー猿も真っ青である。



後半戦、スーパーショットが炸裂する。

ついに、ボールの芯を捕らえ始めたのだ。

その威力はティーをへし折る程である。

打つ度に、飛距離はドンドンと伸びていく。

さらには、
岩返しまで飛び出す始末だ。

岩返しとは、障害物を利用して、
その跳ね返りでピン側に落とす高度な技である。

この勢いにのって、パーやボギーを連発。

終わってみるとスコアは145。

スコアだけを見ると大したことないが、
前半戦を考えると大健闘である。

残念ながら、結果はビリだったが、

よくぞここまで戦ったものである。

軍手と3本のクラブだけでの孤独な戦い。

貧乏人だってここまで出来るんだということを
まざまざと見せつけてやった。

そんな私に僅差だったダルシムは
ショックを隠しきれていなかった。

なにしろ、
軍手の男に僅差なのだ。

もしかして、ダルシムはゴルフを引退するかもしれない。

どうやら、私はダルシムの
逃走本能に火をつけてしまったようだ。

≪イソジンのよく解る用語解説≫
※1 ダルシム・・・

   ストリートファイターのインド出身の僧侶。
   首には、貧困で死んだ子供の骸骨をぶら下げている。
   詳しくは「ストリートファイターⅡ」をご覧ください。
※2 猿谷猿丸・・・
   藤子不二雄A作のゴルフ漫画の主人公。通称「猿」
   アマチュアであるが、自称「プロゴルファー」である。
   木製クラブ一本でミスターX率いる影の組織に立ち向かっている。



(注)ISOJIN Blogはフィクションです。実在する人物、団体、事件には関係ありません。全ての判断は読者であるISOJINマニアの皆様に委ねられて
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