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2009年10月9日金曜日

走れメロス(前編)


ISOJINは激怒した。


台風18号※1が私の行く手を邪魔したからだ。















せっかくのハワイ社員旅行

台風なんぞに邪魔をされたくない


だが、午前のフライトは全て欠航。


当然、午前の仕事は全てキャンセル。

名鉄が不通のため、私は自宅待機となった。

社内に漂う不穏なモード。


そして、私は自分の雨男ぶりを嘆いていた。

(いつものことだが・・・。)

そんな気持ちを、神様も察知したのだろう。

午後から、セントレアは復旧し始めたのだ。


よっしゃぁぁぁーーー!!

d(∇≦) (≧∇)b

(これで、ハワイに行くことができる。) 

セントレアに着くと、
人がわんさと溢れかえっている。

(午前の便がずれ込んだからなぁ・・・。)

と、思っていたらそこには、

なんと、ゆずが・・・。
















こっ これは、ついている。


(ゆずっこでは、ないんだけどね。)

なんやかんやとあったが、
ついに私はハワイにやってきた。















ローハーーーー!!


(何度、この言葉を口にしただろう・
・・。)

完全に浮かれまくっている私。


南国リゾートの楽しみが
すべてつまった極上の常夏パラダイス。

1秒たりとも、ムダにしたくない!!

だから、私は走った。

朝4時に起き、ダイヤモンドヘッドを目指す。














ハワイと日本の時差は19時間。

時差ぼけのため、完全に寝ぼけ眼だ。

でも、そんなことは関係ない!!

路行く人を押しのけ、跳ねとばし、
ISOJINは黒い風のように走った。

共に走る同僚の後ろ姿を、
必死に追いながら・・・。

ダイヤモンドヘッドまでの距離は約5km

ワイキキビーチのまっただ中を駈け抜け、

散歩する人たちを仰天させ、
空き缶を蹴とばし、水たまりを飛び越え、
少しずつ昇りくる太陽の、十倍も早く走った。

すべては、ダイヤモンドヘッドから
日の出を見るために・・・。

薄暗い夜道を手探りで駆け抜ける。

そこには、なんの迷いもなかった。

走り始めて40分、時刻は午前5時12分。

私たちは完全に迷っていた。

名も知らぬ小学校のグランドで、同僚と緊急集会。

私:「ダイヤモンドヘッドがなくなった。」

同:「なんか、なくなっちゃいましたね。」

近すぎて見えないとは、このことだ。

途方に暮れるマラソンマン





















道を尋ねる人などどこにもいない。

一刻といえども、無駄にはしたくない。

太陽は
今にも空から顔を出そうとしている。

焦りを隠しきれない私たち。

と、そこにガソリンスタンドを発見。

助かったぁぁぁ!!

私はスタンドマンにつたない英語で話しかけ
た。

私:「Diamond Head Doko?」

(完全に日本語だ。)

スタンドマンはこんなアホな日本人に
懇切丁寧に説明してくれた。

ス:「right left right」

ダイヤモンドヘッドはすぐそこだった。

時刻は午前5時37分。

日の出にはなんとか間に合った。

ここから、いよいよダイヤモンドヘッド登山だ。
















急いで登ろうとすると、
屈強な男が我々の行く手を阻む。

ダイヤモンドヘッドの門番だ。

門:「No No!!」

私:「Why?」

門:「Open six o'clock.」

どうやら、6時に開門するようだ。

(もしや、日の出に間に合わないかも・・・。)

せっかく、走って来たのに・・・。

でも、急いで登れば、
まだ、山頂で日の出を拝むことが出来るらしい。

スタートは午前6時。

走れ!ISOJIN。


           続きは → 走れメロス(後編)

≪イソジンのよく解る用語解説≫
※1 台風18号・・・
   伊勢湾台風並みの強い勢力をもった台風

   甚大な被害を及ぼす台風だが、
   決して、悪いことばかりではない。
   詳しくは「涼宮ハルヒの憂鬱」をご覧下さい。
※2 走れメロス・・・
   太宰治、中期の小説。
   親友のセリヌンティウスを助けるために
   メロスが全力疾走する友情の物語




(注)ISOJIN Blogはフィクションです。実在する人物、団体、事件には関係ありません。全ての判断は読者であるISOJINマニアの皆様に委ねられています。

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