11月になると、私の体は熱く滾(たぎ)る。
何故なら、大道芸ワールドカップが
開催されるからだ。
大道芸ワールドカップとは、
大道芸の世界一を決めるイベントだ。
実は、私 毎年
この大会の審査員を務めている。
(う〜ん、少し語弊があった。)
チャンピオンは、観客である我々が決めるのだ。
そう、投げ銭によって・・・。
ルールはいたってシンプル。
1,000円持っていたとしたら、
この演技にいくら払う(価値がある)のか?
もちろん、タダ見するのも自由である。
ちなみに、芸に厳しい私は、
なかなか簡単に得点を入れやしない。
(実は、ただ単にケチなだけ・・・。)
いつものように、
一緒に行くメンバーは痛風家族である。
まずは、公式ガイドブックを購入。
それぞれ、自分の見たい芸人を選び抜く。
昨年の失敗※1を踏まえ、
ナイトショーと被らないように注意する。
ちなみに、ナイトショーのメンバーはこちら。
<プレミアムナイトショーメンバー>
☆2008年度ワールドチャンピオン☆
誰もが息をのむロシアンバー
カナコフ(ロシア)
☆2007年度ワールドチャンピオン☆
エネルギッシュなコメディショー
ニーニョ・コストリニ(アルゼンチン)
☆2006年度ワールドチャンピオン☆
変幻自在のボールジャグラー
アラン&エディタ・シュルツ(チェコ)
コメディアクロバットデュオ
ポパイ(オーストラリア)
奇想天外なコメディパフォーマンス
サンキュー手塚(日本)
スピード溢れるクールなジャグラー
クラウディウス・シュペヒト(スイス)
そして、司会は脅威のシャベラー
三雲いおり(日本)である。
いずれ劣らぬ、強者ども。
もう、ワクワクが止まらない。
ナイトショーのアーティスト以外から、
自分のお気に入りを選出する。
我らの審査基準は只一点。
芸をいかに見せるか?
芸が優れているのは当たり前。
重要なのは、その演出方法※2である。
我々から得点(投げ銭)が欲しければ、
笑いやユーモアのセンスは不可欠だ。
そんな我々が選んだ、
選りすぐりアーティストをご紹介しよう。
私:紳士な顧客イジリ
フレイザー・フレイパー(イギリス)
妻:驚愕アーチェリーパフォマンス
プリンセス・エレイン(メキシコ)
痛:とぼけた笑いのパフォーマンス
ウーシュ・マ・ウーシュ(ウクライナ) ※ 風邪のため欠席
嫁:パントマイムなモヒカン野郎
くるくるシルク(日本)
自分が選んだ芸人が、
チャンピオンになった時の喜びは格別だ!!
特に、痛風嫁の気合いは凄まじい。
嫁:「絶対、くるくるに投げ銭するよぉぉ!!」
(もちろん、くるくるのHPもチェック済だ。)
くるくるシルクのベスポジを確保すべく、
その前の演目からスタンバる私たち。
そこで、思わぬ事態に遭遇することになる。
「”Oui" フォーリンラブ。」事件。
(どこかで、聞き覚えのある名前だ。)
フォーリンラブとは、
フランス人男性のミシェルと
日本人女性のトモコのユニット(二人組)。
空高くそびえるポールを使って、
空中を鮮やかに舞うアクションショー。
なかなか迫力溢れる舞台である。
その演目中に、事件は起こった。
(姉さん、事件です!!)
7mの高さから、地面めがけて落ちるミシェル。
その勢いは加速し、緩むことなく・・・、
地面に真っ逆さま。
グキッ!!
その後、悲しげな音楽とともに、
トモコが静かに歩み寄る。
な~んだ、演技だったのか。
と思ったのも束の間、
なんだか、様子がおかしい。
顔面から赤い血を噴き出し、
ミシェルはまったく動かない。
そこに、くるくるイエローが飛んで入る。
騒然とする場内。
ザワ ザワ ザワ・・・。
「救急車、救急車 呼んでぇ!!」
スタッフの叫び声がこだまする。
遅れて、MCが会場に呼びかける。
ここで、私はようやく事態の深刻さに気付いた。
懸命に看病を続けるトモコ。
それに応えようと、
必死に笑顔を作るミシェル。
二人の絆の深さを感じさせられた。
救急車に運ばれる時も、
ミシェルは客に親指を立てていた。
(中指じゃないよ。)
その姿は、まさにターミネーター。
I'll be back!!(また、戻るよ!!)
私はその姿勢に、感動すら覚えた。
その後に登場したくるくるシルクも
会場を盛り上げようと必死だった。
まさに、芸人魂。
そんなくるくるの姿を見て
痛風嫁の目は完全にハート♥に・・・。
そんな彼らと記念撮影。 ハイ チーズ カシャ
(うん、みんな良い顔している。)
その後、軽く昼食を済ませ、
それぞれの見たい演目を見て回る。
夕方4時、残すところは
プリンセス・エレインのみ。
我が妻、一押しの演目である。
すると、パンフレットを眺めていた
痛風男が急に自己主張をしはじめた。
痛:「加納真実 見たい・・・。」
(あっそう。)
ちなみに、痛風男は
いわゆる、一つのキカンボウ。
一度決めたら、
意見を変えることは決してない。
痛:「いいじゃん。これ(プリンセス・エレイン)、
つまらなそうじゃね?」
その目は、自信に満ちあふれている。
しかも、その手口は、けっこう強引。
どうやら、二年前のステージで、
すっかり加納真実の虜になったようだ。
(付き合っちゃえば、いいのに・・・。)
こうなってしまったら、
彼の意見を変えることはほぼ不可能。
妻は自分の気持ちをグッとこらえていた。
(妻よ、つまらぬ友を持った私を許してくれ!!)
なんやかんやあったが、
今年の大道芸も大いに楽しむことが出来た。
ファイナルステージでの
チャンピオン発表が待ち遠しいものだ。
3日後、痛風男から驚愕のメールが届いた。
痛:「チャンピオンは・・・、
まさかまさかのプリンセス・エレイン。」
痛風男に阻止され、
見ることが出来なかった演目である。
痛風男よ、お前の目は節穴か!!
≪イソジンのよく解る用語解説≫
※1 昨年の失敗・・・事前に調べていなかったために、
何度も同じショーをみることになった
大道芸ワールドカップ2008年大会。
詳しくは「大道芸ワールドカップ」をご覧下さい。
※2 演出方法・・・
表現の仕方次第で物事は劇的に変わるものである。
詳しくは「旭山動物園物語」をご覧下さい。
(注)ISOJIN Blogはフィクションです。実在する人物、団体、事件には関係ありません。全ての判断は読者であるISOJINマニアの皆様に委ねられています。
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