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2009年11月1日日曜日

20世紀少年(後編)


前編をご覧になっていない方は、
前編よりお楽しみ下さい。 → 「20世紀少年(前編)


水色パンツのおっさん
ずっとウォッチしていたかった。


でも、タイムを気にする私は先を急いだ。

後で、ダルシムに聞いた話だが・・・、

ムスメ連れのお母さんが、
その水色パンツをを見付けて思わず、

母:「
○○ちゃん、見ちゃいけません!!」

と、ムスメに向かって声を荒げていたらしい。

(間近で見れず、マジ残念。)


今回、我々が走るのは10kmコース。

5kmのコースを二周するといったもの。

つまり、二周目は
既に走ったコースを再度走るのである。

アップダウンが激しいと噂される、
半田市民マラソン。

丸腰で挑んでは、撃沈だ。


そこで、私は独自にある作戦を練ってみた。


既に、牛歩戦術は使えなくなっていたからだ。

二周目のコースメイクを完璧にするため
一周目は、コース感覚の把握に努める。

名付けて、デジャブ作戦

ちなみに、コースの全容はこんなかんじ。




















始めの1kmは緩やかな下り坂で、
中盤は2~3kmは平坦な道のり、
途中、4km付近に給水所が設置されており、

最後は勾配激しい昇り坂。

このコースを二回走るのだ。

よし、コースイメージはつかんだぜ!!

一周目は意外にも、
バテることなく走ることが出来た。


これも、ハワイでの
高地トレーニング
※1の成果である。

二周目の折り返し地点で、
生き別れた二人とすれ違う。





















ダルシムはまだまだ元気そう。

一方、痛風男はヒドい顔をしている。


もう、くたばる寸前だ。

スポーツマン※2だった
あの頃の姿は微塵もない。

(まぁ、オレも人の事は言えないが・・・。)

無理もない。

秋なのに、ギラギラと照りつける
太陽

その光は体力を急速に奪う。

さすがに、この暑さにやられる人も多い。

あちこちで聞こえる、救急車のサイレン

ピーポー ピーポー


徐々に近づくサイレン音。

8km付近には、
人が倒れている姿が見える。

どうやら、救護する人の言葉が
耳に入っていないようだ。

しかも、自分が倒れていることに
まったく気付いていない。

地面に倒れているのに、
足だけは走り続けているのだ。


そんな様子を見ると、さすがにビビる。

(無理は禁物だな。)

次第に弱まる闘争本能

でも、そんなビビる気持ちを押さえ、
ひたすら無になって走る。

初のマラソン大会とはいえ、


せめて完走だけはしておきたい!!

給水所までは、あと少し。

給水所で水分さえ補給すれば、
体力は絶対に戻るはず・・・。

もう、頭の中はのことでいっぱいだ。

ペースは遅くなるも、
私は走ることだけは決して止めなかった。

登り坂手前の給水所に着くまでは・・・。

その頃、給水所では信じられない事態が起きていた。

なんと、水が・・・、

命の水が、底をついていたのだ。


(ありえないんですけど・・・。)

水分補給をせずに、
あの地獄の坂を上らなければならない


私の闘争本能は完全に沈下した。

そこからの、1km。

私は走ることを放棄した。

いや、そんな気力が湧いてこなかったのだ。


半田運動公園に差し掛かった時、
一人の女性から黄色い声援が・・・。

女:「がんばれーー!!」

なんと、そこには噂の経理ウーマン

(痛風男の同僚である。)

一人でひた走る弱った私に、天使の声援。

たちどころに、元気になる私。

女の子は、嫌いではないのだ。

見事に、復活を果たしたランナーISOJIN。

ゴールまであと少し・・・。

微かに聞こえるブラスバンドのハーモニー。

ついに、半田運動公園のグランドに到着。




















ーーーーーール!!





















<記録証>
ナンバー: 1227
種目:   第13部(30歳代男子10km)
氏名:   服部 ふくべえ (仮名)
記録:   1時間01分34秒
総合順位: 683位
部門順位: 157位


最後に歩きはしたものの、
無事ゴールすることが出来た。

初めてのマラソンにしては、上出来である。

ただ一つ、心残りなことがある。

ともだちの代走だったため・・・、

記録証の氏名欄に私の名前がないことだ。




















≪イソジンのよく解る用語解説≫
※1 高地トレーニング・・・
   ダイヤモンドヘッドでの日の出を拝むため、
   走りに走った社員旅行。
   詳しくは「走れメロス(後編)」をご覧下さい。
※2 スポーツマン
・・・
   例えば。クラス会の時、

   昔はかっこ良かったあの子と
久しぶりの再会
   「こんなはずではなかったのに・・・。」
   そんな事は良くある話だ。
   詳しくは「池中玄太80キロ」をご覧下さい。

※3 20世紀少年・・・
   浦沢直樹原作の長編サスペンス漫画。
   堤幸彦監督により、全三部作の映画化。
   ちなみに、そのロケ地の一つは私の地元の常滑である。
   詳しくは「20世紀少年」をご覧下さい。






(注)ISOJIN Blogはフィクションです。実在する人物、団体、事件には関係ありません。全ての判断は読者であるISOJINマニアの皆様に委ねられています。

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