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2010年7月26日月曜日

ウィリー

 
フィッシング※1からカヌーへの変更を、
余儀なくされたエセどうでしょう班。
















早速、インストラクターから、 
オールの使い方や、転覆した時の対処法を学ぶ。

二人乗りのカヌーだと、
前の人が舵取りで、後ろの人がエンジン

カップルの場合、女性が前で、
男性が後ろになるケースが多いとのこと。

この講義が思いのほか、長い。

(もう、早くやらせてくれよ。)

せっかちな私は、苛立ちを隠しきれない。

一方、転覆という言葉に怯えた女性陣。

顔からは、完全に表情が消えていた。

(ビビり過ぎでしょ。)

さぁ、いよいよカヌーに乗り込み、実技演習。

オール片手に、ハリキる私。

祭の旗を掲げよぉぉぉーーー!!

思わず、ミスターのように雄叫びをあげる。

それに呼応する女性陣。

CUEのこととなると、
突然、息を吹き返し元気になる。

(う〜ん、女性の心理はわからない。)


エンジン担当の私は、力の限り漕ぎまくる。

自称、百万馬力。

体力だけには、自信がある。

目指すは、ダントツ一番乗りっ!!

負けず嫌いの血が騒ぐ。

が、

漕げども、漕げども、進みやしない。

尻別川は、意外に手強い。

水の抵抗をもろに受け、
カヌーは大きく上下に揺さぶられる。

重心を低めに取るも、さすがに身の危険を感じる。

どうしても、川に対して平行にならないのだ。

しまいには、川の中央で大回転

(ハリケーンジャンボリーの影響か??)

もう、パニック寸前

おーーーい、待ってくれぇーーい!!


と、心の中で叫んでみる。

小さなプライドから、
救助を求めることが出来ない私。

おかげで、完全に置いてけぼり。

そんな苛立ちを妻にぶつける。

私:「おいっ、もっと漕げって!!」

妻:「漕いでるって!!」

次第に険悪になる二人乗りのカヌー。

そうこうしてるうちに、
他のグループが、ドンドンと小さくなっていく。

激流にのまれ、カヌーはもう転覆寸前

と、そこへようやくインストラクターが・・・。

イ:「大丈夫ですか?」


(ふぅ~、助かった。)

開始早々、先が思いやられる展開。

一人おののく舵取りの妻。

妻:「ちょっと、転覆しちゃうでしょ。」

鼻息は荒い。

私:「転覆してもネタになるからいいじゃん。」

私は少しでも安心させようと、妻を励ます。


妻:「だから、怖いって言ってんのっ!!」

どうやら、ご立腹のようである。

「救命胴衣があるから、死ぬこたぁないのに・・・。」

こんな言葉が、脳裏に浮かんだが、
取り敢えずは黙っておいた。

(やぶ蛇だけは、ゴメンだゼっ!!)

インストラクターの指導のもと、
再び下流を目指す。

しかし、なかなかウマく進まない。

原因は、妻のオールの使い方にあるようだ。

イ:「取り敢えず、旦那様は漕がずに、
   奥様だけで漕いでみて下さい。」

いよいよ、個人レッスンのスタートだ。

イ:「水の表面だけでなく、

   奥まで力強く漕いでみましょう。」

妻:「ハイっ、教官。」

返事だけは一人前。

でも、行動が全く伴わない。

イ:「オールを下に突き刺すようなかんじで・・・。」

指導も空しく、オールは見事に空を切る。

妻は必死に漕いでいるようだが、
どうしても、ふざけているとしか思えない。

そんな妻に対して、
インストラクターがチクリと一言。

イ:「お仲間の女性の方は、ちゃんと漕いでますよ。」















余計なお世話である。

他のグループを待たせながらの、個人レッスン。

次第に、手持ち無沙汰になる私。

ついつい、一緒に漕ぎたくなる。

その衝動は、とても押さえきれるものではない。

そろりと、オールを漕ぎ始めると、
インストラクターが、すかさず注意。

イ:「旦那様は、しばらく漕がないで下さい。」

私:「ほ~い。」

(ちぇっ、つまんねぇーゼっ!!)

そんなやり取りを、何度か繰り返す。

温厚なインストラクターも、さすがにキレはじめる。

そんな空気を察してか、力強くオールを漕ぐ妻。

ビチャッ!!

勢い余って、思いっきり私に水をぶっかける。

おいっ!!

ご主人様に対して、この仕打ち。

(気を付けて欲しいものだ。)

さらに、インストラクターがとどめを刺す。

イ:「いいです。そんなかんじで、漕いで下さい。」


おいっ!!


心なしか、少し晴れやかな妻の表情。

一方、びしょびしょになる私。

もう、パンツの中までびしょ濡れだ。

が、ちっとも上達しやしない。

業を煮やしたインストラクターから
ついに、禁断の一言が・・・。

イ:「制限時間がありますので、
   申し訳ないですけど、私のカヌーと結合します。」

えっ??

インストラクターの大英断。

緊急避難である。















(「 ̄ ・ ̄)=3 ふぅ~。。


ついに、私たちは自力での川下りを断念

インストラクターに連れられるハメに・・・。

私たちに許された行動は、
隣にちょこんと座ることだけ。

(あぁ、つまんねぇゼっ!!)

連れられること約20分。

ようやく、はぐれていた痛風男たちと合流。















痛:「みんなを待たせちゃって、何やってんの?」

私:「うるさいわっ!!」

(こっちの気持ちも知らないで・・・。)

仕切り直しに、川の中流で休憩。

案の定、妻のテンションがすこぶる低い。















完全に、嫌気がさしてるご様子だ。

そんな妻の近くで、
何やら、もめ始めたインストラクターたち。

野次馬な私は、
インストラクターの会話に聞き耳を立てる。

すると、ところどころに、
「ISOJIN夫妻」という単語が聞こえてくる。

A:「ISOJINさんのボート、すごい傾いてたぞ。」


B:「体重差がかなりありますから・・・。」

C:「だから、水面にオールが届かなかったんですね。」

私:「・・・。」


もしか、私が諸悪の根源??


飛行機の椅子※2に引き続き、

またしても、私の体重がネックに・・・。


まさか、カヌーでウィリー走行してたなんて・・・。


うぅ、絶対 痩せてやるっ!!

≪イソジンのよく解る 用語解説≫
※1 フィッシング・・・

   釣りバカに憧れたが、ユーコンに・・・。 
   詳しくは「弱り目に祟り目」をご覧下さい。
※2 飛行機の椅子・・・
   離陸前に椅子を倒してはならない。
   倒してもないのに、注意されるということは・・・。
   詳しくは「不良品」をご覧下さい。

(注)ISOJIN Blogは架空の物語です。過去、あるいは現在において、たまたま実在する人物、団体、出来事に類似していても、それは偶然に過ぎません。

  

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